プロから学ぶテニスの高等戦術を覚えよう

テニスの戦術は、自分と、対戦相手のレベルが上がれば上がるほど、重要になります。

大会などに出場して上位を狙うのであれば、戦術について考えることは、必須条件と言えるでしょう。

以前にも戦術の基本的な考え方についての記事を書いたのですが、
今回は、より具体的に、かつ実践的に深掘りしてみたいと思います。

「テニスの勝ち方」知っておきたい3つの戦術的ポイント【シングルス編】

戦術とは、「いかに自分の得意なパターンに持ち込むか」がメインシナリオであると考え、そこから逆算して「どのようにプレーすれば良いのか」を探っていきます。

また、プロのトッププレーヤーが、どのように戦術を組み立てているのかについても検証します。

この記事を最後まで読めば、同レベルや、格上の相手に試合で勝つためのヒントが、きっと掴めることでしょう。

自分が優位に立つためには、相手を崩せ

テニス 戦術 プロ 

自分の得意なパターンに持ち込んで、優位に立つためには、相手に無理をさせて、バランスを崩す戦術が重要です。

相手のバランスが崩れた状態からは、強く打ち返してくることが難しいので、こちらのウィニングショットを決めやすくなります。

1)緩急をつけてタイミングを外す

強打を続けると、自分がミスを犯す確率が高くなりますし、体力的な負担も大きくなります。

その割に、単調なリズムでは相手も慣れてくるので、効果的な攻めにならない場合が多いです。

・スピード

・高さ

。球質(スピン)

を変えながら攻めると、相手は読みづらくなり、ストレスを感じます。

ほんの少しタイミングや打点を狂わせることによって、チャンスボールが返ってくる可能性はとても高くなるでしょう。

2)前後に揺さぶる

テニスでミスが多くなるのは、動きながらショットを打つ時なので、相手を前後左右に揺さぶるのは有効な手段です。

ただし、左右の動きは比較的対応しやすいので、甘い球を打ってしまうと、逆に相手に鋭く打ち返されてしまう危険性があります。

それに対して前後の揺さぶりは反応しづらく、動きの負担も大きくなるので、ミスを誘いやすくなります。

さらに、相手のバック側にスライスで弾まないボールを狙うと、返球の難易度が上がり、効果的です。

相手がベースラインよりも後方にポジションをとっているときには、ドロップショットなど浅いボールを混ぜて、前後に揺さぶっていきましょう。

プロはどのように戦術を組み立てているのか?

テニス 戦術 プロ

では実際に、プロがどのように戦術を組み立てているのかを見ていきます。

1)ピート・サンプラス

サンプラスは、全てのショットでポイントが取れるオールラウンダーですが、その中でも、強力なサーブを軸に組み立てたサーブ&ボレーの比率が非常に高い選手です。

スピードだけではなく、コースやスピンも絶妙にコントロールされたサーブは史上最高とも言われ、1stだけではなく2ndサーブでもエースを連発できるほどの威力があります。

相手のリターンが甘くなればすかさずネットに詰めて、ボレーや、彼の代名詞とも言えるダンクスマッシュを決めてポイントを量産し、ゲームの主導権を握るのが、必勝の戦術でした。

リターンゲームの場合は、フォアハンドから繰り出すフラット系の強烈なショットを起点にして、ネットプレーに繋げていくことが多く見られました。

2)ロジャー・フェデラー

フェデラーも、サンプラスと同じく多彩な攻撃パターンを持っているオールラウンダーです。

さまざまなショットを織り交ぜてゲームを組み立てるのですが、鍵を握るのが決定力の高いフォアハンドストロークでした。

ストローク戦をしながら、チャンスと見るやフォアに回り込んで強烈なショットを放ち、エースを取ってしまうか、ネットプレーに持ち込んでポイントに繋げるのがお得意のパターンです。

その他にも、サービスリターンで前に出て、ハーフボレーのように打ち返すセイバー(SABR)で攻撃したり、ディフェンシブな局面でもスライスのショットをうまく使って体勢を立て直したりと、ゲームに勝つための戦術の多彩さでは他の追随を許しません。

3)ラファエル・ナダル

ナダルは、サンプラスやフェデラーと違って、カウンターパンチャーと呼ばれるストローク主体のプレーヤーです。

その回転量の多いフォアハンドストロークは、対戦相手にプレッシャーをかけるのに十分な威力を持っています。

ナダルは左利きなので、フォアでクロスラリーを仕掛けると、右利きの相手はバックで対応しなければならず、より大きな負担を強いられます。

このようなことも頭に入れてゲームを組み立てて、徐々に相手を追い詰めていくのです。

両手打ちのバックハンドストロークも強力で、フォアよりも高い打点から打ち降ろすようなショットも使われます。

しかも、コートカバーリングの能力が非常に高いので、コート中を走り回って、どこからでも鋭い返球でエースを取る場面が数多くの試合で見られました。

4)ノバク・ジョコビッチ

ジョコビッチも、ナダルと同様に、カウンターパンチャーと呼ばれるプレーヤーです。

決してスーパーショットを放つわけではないのですが、全てのショットが極めて正確で、相手にとって嫌な所に確実にコントロールできます。

そして、相手が隙を見せたら、一気に攻撃を仕掛けてポイントを取ってしまうのです。

また、ディフェンスの能力が非常に高いので、相手がエースを取るのはとても難しく、下手に揺さぶりをかけると、逆にパッシングを決められてしまうケースが多々あります。

その結果リターンゲームでも主導権を握ることができ、ゲーム全体を優位にコントロールして、勝利を積み重ねてきました。

世界ランキング1位の通算在位370週以上で、歴代No.1というのは、本当に輝かしい記録ですよね。

まとめ

今回は、戦術について、プロの実例を交えて深掘りしてみました。

「相手を崩す」ことを意識してゲームを組み立てれば。少々格上の相手でもひるまずに対戦できるのではないでしょうか?

皆様の勝率アップに、少しでも貢献できれば幸いです。

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