テニスのダブルスでリターンをする時に、シングルスと最も大きく異なる点は、
「相手の前衛がいる」
と、いうことです。
シングルスの場合は、
「とにかくリターンを返して、その後のラリーで主導権を握る」
という戦術も可能でした。
しかし、ダブルスでは、甘い返球は相手の前衛に、すかさずポーチに出られてしまいます。
サービスリターンの基本である、
「リラックスして、コンパクトに体重移動で打つ」
ということは、シングルスでもダブルスでも共通です。
ダブルスでは、それに加えて、
「いかに相手の前衛のポーチを封じるか?」
が重要になります。
今回は、相手の前衛に捕まらないリターンの方法について、解説していきます。
ぜひ、「リターン上手」になって、「ダブルス名人」を目指しましょう。
目次
ダブルスのリターン解説
今回ダブルスのリターンで押さえておきたいポイントを7つに渡って解説していきます。
- 少しでも前に出て打つ(ライジング)
- コースを散らす(いつも同じコースを狙わない)
- クロスリターンは低く打つ
- ストレートリターンを使う
- ロブを使う
- ブロックリターンを使う
- ドロップショットリターンを使う
少しでも前に出て打つ
ベースラインより後ろに下がってリターンを打つと、それだけ相手の前衛に時間的な余裕を与えることになり、ポーチされやすくなります。
逆に、こちらがベースラインの内側に入った位置まで踏み込むと、より高い打点で攻撃的なショットを打つことができますし、相手の時間を奪うことにもなるので、ポーチに出ることは難しくなるでしょう。
また、打点についても、引きつけて打つよりも、身体の前でさばくようにした方が返球のテンポが上がり、相手に余裕を与えません。
とにかく少しでも前に出てリターンを打つことが、相手のポーチを封じるひとつ目のコツです。
コースを散らす
リターンのコースを読まれてしまっては、相手のポーチに捕まりやすくなってしまいます。
相手の読みを外すためにも、リターンのコースは散らしていくことが大切です。
1)クロスは低く
クロスのリターンは基本ですが、高い弾道で打ってしまうと、相手はポーチを決めやすくなります。
低い弾道でリターンすると、それだけボレーで返すのが難しくなり、たとえ相手がポーチに出てラケットに当てたとしても、ネットにかけてミスになる可能性が高くなるでしょう。
球威やスピンよりも、弾道の低さを優先してリターンをすれば、相手のポーチの脅威をかなり軽減できます。
2)ストレートリターンも使う
ストレートへのリターンは、少し勇気が必要なショットですが、特にダブルスの場合では、相手を牽制する意味でも、積極的に打っていくべきです。
単純に「ストレートに打つ」と言っても、そのコースは、
・相手前衛の外側
・相手前衛の正面
・相手前衛の内側
という3つの選択肢があります。
相手前衛の外側を抜けば、ほぼ間違いなくエースになりますが、サイドアウトしたり、ネットにかけたりと、こちらがミスをする可能性も高いので注意しなければいけません。
相手の正面に打つのは、いわゆる「ボディショット」というもので、ボレーをするのが難しいコースです。
ボディショットは、心理的に意表をついて、一瞬パニックを起こさせる効果もあります。
相手前衛の内側は、後衛との間を抜くことになり、ここもポイントになりやすいコースです。
後衛を走らせて負担をかけることもできるので、うまく抜ければ効果的ですが、逆にポーチを決められてしまうリスクもやや高いので、低い弾道を心掛けた方が良いでしょう。
3)ロブも有効
相手前衛の頭上を狙ってロブで返すのも、有効な手段です。
前衛を抜くことができれば、そのままポイントになるか、もし後衛が追い着いたとしても、長い距離を走って鋭い返球をすることは難しいので、こちらのチャンスボールになる可能性が高くなります。
相手前衛のバック側にロブを上げるようにすると、たとえ少々甘くなったとしても、スマッシュを打たれるリスクを減らせます。
速いサーブに対応する時には、トップスピンよりもスライスのロブの方が、よりコンパクトにスイングできるのでおすすめです。
4)ブロックリターンを使う
相手の早いサーブに対してはテイクバックをする準備時間も少なく、かつスイングも振り遅れやすいものです。
そういう時は、スイングをせずにラケット面を残した状態でボールを迎えるブロックリターンを選択肢に入れるといいです。
速いサーブであれば、勢いを利用する為、当てるだけでいい感じのリターンが返球できます。
ただし、多用すると相手前衛のポーチにつかまりやすくなる為注意が必要です。
5)ドロップリターンで意表をつく
ドロップリターンは、技術的に言えば最高難度になると思います。
相手に読まれてしまうと、チャンスボールを献上してしまうリスクがあります。
しかし、意表をついたタイミングで使うと、相手を走らせて体力を消耗させることもできますし、判断に迷いが生じるなど、精神的なダメージを与えることもできます。
相手に読まれないようにするためには、通常のストロークと同じように構えることが大切です。
また、ドロップショットは滞空時間が長いので、リターナーが後ろに下がって打ってしまうと、相手は対応しやすくなります。
やはりここは、思い切って一歩前に出て、相手の前衛からも後衛からも遠いところを狙うと、効果的なショットになるでしょう。
まとめ
テニスのダブルスでのリターンについて解説してきました。
ダブルスでは、シングルスと違って相手の前衛に注意しなければならないので、リターンの難易度は格段に上がります。
それでも、今回解説したように、
・少しでも前に出て打つ
・コースを散らす
ということを意識すれば、逆にリターンから攻撃的な態勢をつくることができ、有利な展開に持ち込めるでしょう。
ぜひ、「リターン上手」になって、「ダブルス名人」になってください。